「水俣病と差別」ドラマに 市民の苦悩描く RKKラジオで28日放送

熊本日日新聞 | 2021年11月19日 11:49

ラジオドラマ「水俣第三中学校 還暦同窓会」の収録をする出演者ら(RKK提供)
演出・制作統括の中村レンさん

 熊本放送(RKK)は28日午後7時から、水俣病をテーマにしたラジオドラマ「水俣第三中学校 還暦同窓会」を放送する。2011年に閉校した同校の卒業生を主人公に、差別や確執と向き合いながら生きる人々を描く。制作スタッフが、これまでの取材で出会った水俣市民や出身者の声を基に再構成したオリジナル作品。

 水俣病の発生に揺れる当時、中学生だった幸子[ゆきこ]が主人公。祖父が水俣病になり、周囲の目を恐れた父に責められて死を選んだことにショックを受け、高校卒業後は水俣を離れていた。同窓会で合唱部の仲間3人と再会し、旧交を温める中で、3人がそれぞれにつらい体験をしながらも水俣病に向き合ってきたことを知る。祖父の墓に参り、父の苦悩を知った幸子はわだかまりを解いていく-。

 脚本は同校出身で元熊本放送プロデューサーの村上雅通さん(68)。自らが参加した還暦同窓会に想を得たという。同じ地域で暮らす市民の間や、水俣という地に向けられた差別にフォーカスした。

 演出・制作統括を務めたディレクターの中村レンさん(52)は「当時の混沌[こんとん]とした水俣で、人々はさまざまな思いを抱えていたと思う。直接語ることができない声も、フィクションなら伝えられる」と話す。

 作品は1時間で、ラジオDJの江越哲也さん、タレントの大田黒浩一さんのほか、県内で活動する劇団員らが出演。「聴いた人が『水俣病の問題はまだ終わっていない』と感じてくれたらうれしい。差別の連鎖も現代にも通じる課題」と中村さん。

 ドラマは今夏、全国37の民放AMラジオ局が加盟する協議会の企画コンペで最優秀企画に選ばれ、制作費の補助を受けた。(枝村美咲)

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