写真館、傘店、質店… 専門店の技、伝授します 上通まちなかゼミナール

熊本日日新聞 | 2021年10月08日 13:04

「上通写真館」ですてきな写真の撮られ方を学ぶ参加者(左)=熊本市中央区

 プロの技、伝授します-。熊本市の上通商栄会が、上通アーケード街の店舗経営者らからさまざまな技術を学べる「上通まちなかゼミナール」を開いている。専門店ならではの視点とうんちく満載で、上通の魅力と潜在能力を発信している。

 「まちゼミ」は愛知県岡崎市で2003年に始まり、全国に広がった商店街の活性化事業。今年は初めて約160地域で一斉開催し、県内では水俣市や天草市、山鹿市でも開かれている。上通は8年前から始め、9回目。11月15日まで11店舗と熊本市現代美術館が計31講座を開講する。予約は現時点でほぼ埋まっているという。

 「上通写真館」では4日、すてきな写真の撮られ方講座があり4人が参加。原田辰之社長(56)が「動画では気に留めない部分も、写真では気になるもの。きちんとポージングすれば、その人らしさが写真に写る」と講義した。

 原田さんは、目の大きさや輪郭など顔の左右の違いを把握し、小さい方の目をカメラ側に向けて遠近法で両目を同じ大きさに見せるテクニックを紹介。椅子に前傾姿勢で浅く座り、背筋など体の一部に力を入れて緊張感を持たせるなどのポイントを解説した。参加者は受講前後に撮った写真を見比べ、「ポージングするだけで、印象が変わった」などと驚いていた。

 興梠[こおろぎ]かず子さん(78)=東区=は「スマホでいつでも写真を撮れるので、写真写りが良くなりたかった。自分の雰囲気が伝わる写真が撮れた」と喜んでいた。

 「手入れをすれば、千円ほどの傘でも10年は使える」と話すのは、老舗傘専門店「橋元屋洋傘店」5代目でアンブレラマスターの資格を持つ橋本幸二さん(51)。5日の講座で橋本さんは(1)傘を閉じる時は軽く揺すって水滴を落とす(2)生地の日焼けを防ぐため室内で陰干しする(3)折り畳み傘の持ち運びはストラップ部分を持たない-など手入れや扱い方のこつを教えた。
 沖仁美さん(54)=西区=は10年ほど前、母の日に子どもから贈られた折り畳み傘を持参。「大事にしていたが、最近壊れてしまった。消耗品と思っていた傘だが、修理して大切に使いたい」と笑顔だった。

 文具店「甲玉堂」はボールペンを使った点描画教室を開催予定。点の密度で明暗を表現し、5センチ大のテントウムシを描くのに速い人でも2時間程度かかるという。根気のいる作業だが、講師の同店マネジャー野口裕史さん(47)は「手軽に始められ、誰でも失敗なく精密でリアルに描けるのが魅力」とアピールする。

 家に眠る高価な物の見分け方を伝授するのは質店の「さかえ屋」。参加者の9割は女性といい、昔買った貴金属などの価値が気になるようだ。内田靖男社長(52)によると、高級腕時計ロレックスは1986年のカタログ価格で41万円のモデルが、現在1千万円前後で取り引きされているものもあり、金は20年前の6倍に跳ね上がっているという。講座では高値が付く品物や、金かメッキかを磁石を使って見分ける方法などを教える。

 内田社長は「偽物だったら恥ずかしいという人もいるが、査定は無料なので、まちゼミをきっかけに気軽に来店してもらえれば」と呼び掛ける。(鬼束実里、福井一基)

「橋元屋洋傘店」の講座で壊れた傘を持参し、修理の方法を相談する参加者ら
「甲玉堂」では、精密でリアルな点描画をマスターできる
質店「さかえ屋」では金とメッキの簡単な見分け方を紹介する

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