コロナの重症化、見落とさぬ体制を マスク着用、今後も徹底 熊本大大学院・坂上教授に聞く

熊本日日新聞 | 2021年10月01日 11:32

「行動制限は緩和しても、感染予防は続けるべきだ」と話す熊本大大学院生命科学研究部の坂上拓郎教授=熊本市中央区

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、熊本県内に適用されていた「まん延防止等重点措置」が30日、解除された。年末にかけて「第6波」も懸念される中、注意すべき点は何か。県と熊本市の「コロナ対策専門家会議」委員、熊本大大学院生命科学研究部の坂上拓郎教授(呼吸器内科学)に聞いた。(内海正樹)

 -県内の感染者数は減少傾向で、ワクチン接種も進んでいます。

 新規感染者が1日に300人を超えるなど、第5波はこれまでで最大の流行となった。原因は、感染力が強いデルタ株。家庭内感染の割合が増えた。それでもワクチン接種が進んで重症者が減り、収束へと向かっている。若い世代のワクチン接種率が上がれば、感染が広がっても第5波よりも小さな波になるのではと希望的観測を持っている。

 -緊急事態宣言も全面解除され、行動制限緩和の動きが加速しています。

 1年半以上も我慢を強いられるという生活は正常ではない。ワクチンや治療薬など、コロナへの対抗手段も手にした。学校の授業などリスクが低いものから慎重に元に戻し、感染対策が十分取られているのならば、飲食店も通常通りの営業ができると思う。しかし、マスク着用などの感染対策は続けてほしい。ワクチン接種後の「ブレークスルー感染」も確認されており、さらに感染力の強い変異株が出てくる可能性もある。ここでコロナ前の生活に戻ってしまうと、また感染拡大で医療逼迫[ひっぱく]を招く。

 -接種履歴を証明する「ワクチンパスポート」の活用も検討されています。

 アレルギーなどで、接種できない人への差別が起きてはいけない。検査で陰性を証明できる仕組みもあればいい。

 -第5波では自宅療養者が急増し、県内でも死者が出ました。医療の課題は。

 病床確保など、県内の医療機関は、既にぎりぎりまで協力してくれている。今後は病床確保より、重症化する人を見落とさないことが重要だ。往診診療に加えて、かかりつけ医による見守り体制ができれば安心につながる。

 -経口治療薬の開発なども進んでいます。新型コロナと共存する「ウィズコロナ」の時代が来ますか。

 ワクチン接種が進んでも感染はゼロにはならない。インフルエンザに関連する死者は年間1万人と言われるが、そういう病気と同じだと許容できるのか。一人一人が考えることも必要だろう。

◇さかがみ・たくろう 1973年生まれ。新潟市出身。2004年、新潟大大学院医歯学総合研究科修了。18年6月から現職。

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