「歴史に名を残した」「憎らしいぐらい強かった」 横綱白鵬引退、熊本県内ファン惜しむ声

熊本日日新聞 | 2021年09月28日 07:50

横綱白鵬はかかり稽古で小学生に胸を貸した=2019年11月、玉名市の蓮華院誕生寺

 優勝45回の横綱白鵬(36)が現役引退の意向を固めた。「歴史に名を残した」。「憎らしいぐらい強かった」。努力を重ねて多くの記録を塗り替えた大横綱に、大相撲ファンからは称賛の声が上がった。熊本県内を度々訪れて「不知火型」の土俵入りを披露しており、「次の九州場所までは見たかった」と惜しむ県民もいた。

 白鵬が2019年11月まで、土俵入りを7度奉納した玉名市の蓮華院誕生寺。かかり稽古では子どもたちに胸を貸し、片手で抱え上げたり、後ろから土俵外に送り出されたりして観客を喜ばせた。

 宗務長の川原光祐さん(65)は「体のあちこちが悪いとは聞いていた。厳しい鍛錬が見えるまわし姿は格好良かった。強さと優しさを兼ね備えていた。きっと良い弟子を育ててくれるでしょう」とねぎらった。

 「不知火型」の創始者として知られる宇土市出身の第8代横綱・不知火諾右衛門[だくえもん]の墓前でも、白鵬は勇ましい姿を見せた。同市の墓一帯を整備する保存会は11月の九州場所に向け、のぼり旗を作って並べたばかりだった。保存会代表顧問の佃眞一さん(77)は「“不知火型は短命”というジンクスを吹き飛ばした。活躍は活動の励みだった」と話した。

 熊本地震発生から約8カ月後の16年12月、白鵬は正代らとともに宇土市で、2千人のファンと交流した。携わった市教育委員会の中島健朗さん(47)は「サインを求める行列ができ、手首を痛めるかと思うくらい対応していた。被災者に笑顔が戻るきっかけになった」と振り返った。

 一方、7月の名古屋場所の正代戦で見せた徳俵まで下がっての立ち合いや、肘打ちのような荒々しい取り口には批判もあった。正代関宇土市後援会の金田光生会長(69)は「土俵上で相手を尊敬したり感謝したりする姿勢が乏しかった」と手厳しかった。(松本敦、池田祐介)

不知火諾右衛門の墓に保存会が並べた白鵬ののぼり旗=27日、宇土市

記事アクセスランキング

フォローする

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • youtube
  • note