銀2銅1「楽しむ姿勢が好結果に」 東京パラ競泳代表の富田宇宙

熊本日日新聞 | 2021年09月22日 20:15

 とみた・うちゅう 済々黌高2年時に視野が欠けて目が見えなくなる網膜色素変性症を発症した。東京パラリンピックでは競泳の400メートル自由形と100メートルバタフライで2位、200メートル個人メドレーで3位になった。

 東京パラリンピック競泳(視覚障害)で銀メダル2個、銅メダル1個を獲得した富田宇宙(32)=日体大大学院、熊本市出身=が22日、熊日のインタビューに「大会を楽しむ姿勢が好結果につながった」と語った。(萩原亮平)

 ─パラ大会を振り返って今の心境は。

 「自分のパフォーマンスを出し切れて安心している。大会前は新型コロナウイルス禍の中でやっていいのか、楽しんでいいのか、という葛藤があった。でも、五輪では楽しんで競技に臨んだ選手ほど、良いパフォーマンスを発揮しているように感じた。用意してもらった舞台を全身全霊で味わい、楽しもうと切り替えられたことが結果につながった」

 ─本番に向け、精神面はどのように整えましたか。

 「メンタルトレーニングの先生の指導で『自分の機嫌を良くする』という点を大事にした。機嫌が良ければ、周囲に優しくでき、食事もおいしくなる。嫌な出来事も気にならないなど、精神的に無敵状態になれる」

 ─大会が注目され、共生社会や障害者への理解が進むきっかけができました。

 「パラアスリートは喜んでいる。今回を機に理解がより進むよう努力をしたい。選手たちはもっと魅力的な存在となり、ファンになってくれた人と一緒に発信することが必要。このムーブメントを次のパリ大会までに大きくしないと」

 ─大会後に周囲で変化はありましたか。

 「コンビニエンスストアで買いたい物の場所を尋ねたとき、店員さんが優しく対応してくれるようになった(笑)。毎日のように障害者スポーツが報道され、一般の人も障害者を見慣れたのかもしれない。少しでも心の壁が取り払われたらうれしい」

 「同じ障害がある人や、その家族から『勇気をもらった』というメッセージもあった。僕自身にとっても(ゴールボール女子日本代表の)浦田理恵さんがそんな存在だった。同じようになれたのなら光栄」

 ─今後はスペインに練習拠点を移す計画もあります。

 「変化や成長することに魅力を感じる性格で、新たな挑戦をしたくなった。海外生活でひどい目に遭うかもしれないけど、それも面白そうだと思う」

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