生産量西日本一!秋の山鹿はクリざんまい 加工から販売、地域一体で新商品 

熊本日日新聞 | 2021年09月18日 15:16

「ricca」店内のみで期間、数量限定で提供しているモンブラン「栗花」。甘さ控えめのクリペーストの内側には和栗のアイスが隠れている=山鹿市

 クリの生産量西日本一を誇る熊本県山鹿市で、飲食店や物産館が連携し、秋の味覚を活用した多彩な食の売り込みに力を入れている。収穫期の9~10月を中心に、各店が新メニューや期間限定商品を投入。人気も年々高まっており、一大産地のメリットを生かし、加工から販売まで一体となった「山鹿和栗」の浸透を狙う。

 オープン4年目の洋菓子店「ricca[リッカ]」(方保田)は、甘さ控えめの2種類のモンブランが人気で、週末は50台分の駐車場が満車になることも。通常のケーキタイプ(500円)に加え、店内では期間、数量限定のアイスタイプ(1650円)も用意。熊本市から訪れた50代女性は「素材本来の味が良い。来る価値はあった」とほほ笑んだ。

 同店など28店が9~11月に展開する「山鹿和栗スイーツフェア」は、共通のチラシやウェブサイトで各店の一押し商品を紹介。市中心部の豊前街道エリアでは、クリとアイスを載せたピザ、素材の風味を凝縮した栗きんとん、クリ入りの名物「山鹿ようかん」など、クリざんまいの食べ歩きを楽しめる。

 フェアは2013年にスタート。事務局を務める、洋菓子店「An[アン]」(菊鹿町)の植田隆司代表(48)は「参加店数は9年目で最多。来客が5割増えた店もあり、徐々に定着してきた」と手応えを話す。Anで人気のシュークリームなどテークアウトできる商品が多い店は、新型コロナウイルスの影響は限定的という。

 同フェア以外にも、鹿北町では9店が21日から1カ月間、「いも・くり自慢街道」と銘打ち、特産のサトイモとクリを豊富に使った御膳[ごぜん]や総菜、菓子などを提供。市内の5物産館も9月下旬から相次いでフェアを開き、生栗や焼き栗、団子などを売り出すなど秋のクリ商戦は熱い。

 山鹿地域が一体でクリを売り出し始めたのは、05年の1市4町合併がきっかけ。中津川市(岐阜)や小布施町(長野)など全国の有名産地に倣い、スケールメリットを生かして地元で製造、販売する仕組みづくりに取り組んできた。

 国産クリの大半は菓子の原料として出荷される。茨城県に次ぎ、熊本県は生産量で全国2位。うち、山鹿市は19年には県内の3分の1に当たる818トンを生産したが、大部分は岐阜名物の栗きんとんなどの原料として県外に出荷された。

 地域内で生産から商品化、販売まで完結する体制が確立できれば、市外からの集客で経済効果が広がり、クリの付加価値をさらに高めることができる。フェアを長年支えてきた植田代表は「もっと山鹿和栗の知名度やブランド力を引き上げたい。そのためにも多くの人に多彩な味の魅力を楽しんでほしい」と話している。(猿渡将樹)

「いも・くり自慢街道」の参加9店が開いた、クリやサトイモなどを用いた料理の内覧会。新たにクリのカルボナーラなども登場した=山鹿市

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