若者の一票変革の「武器」 SNSで情報収集、冷静な判断を 県立大・澤田道夫教授に聞く 若手記者企画「#選挙に行かなきゃダメですか?」

熊本日日新聞 | 2021年09月15日 15:08

 さわだ・みちお 県立大総合管理学部教授。1970年、東京都出身。東京外国語大卒、県立大大学院修了。石油公団や県職員を経て2010年4月から県立大准教授、19年4月から現職。20年4月からは学部長も務める。専門は地方自治。

 10代、20代の若者と政治の関係に迫る企画「#選挙に行かなきゃダメですか?」。若手記者2人が「若者と政治」に関する素朴な疑問を、学生と接する機会も多い熊本県立大の澤田道夫教授(51)=行政学=に聞いた。(聞き手・東有咲=25歳、清水咲彩=22歳)

 -若者は、友人と選挙や政治の話をしないと聞きます。

 「若者だけでなく私たちも、普段の会話の中で投票や支持政党の話はしない。違いは投票に行くか、行かないかだ」

 -若年層の投票率が相対的に低い理由は?

 「大学生なら、住民票を置いている(投票できる)自治体と、住んでいる場所が違う場合も多い。また『投票したことがないから選挙には行かない』という若者もいるようだ」

 「私自身、20歳で選挙権を得た時すぐには選挙に行かなかった。理由は『投票の仕方』がわからなかったから。学校での主権者教育も、まずは投票所での投票の仕方を学ぶような初歩的なものにすると若者も選挙に行きやすくなるだろう」

 -どうすれば若年層の投票率が上がるでしょうか。

 「今後はマイナンバーカードを活用して、選挙区に関係なく投票できる場所を大型ショッピングセンターに設けたり、若者に身近な学校などに投票所を設けたりすると上がるのではないか。人手が必要だったり、コストが上がったりといった課題もある。ネット投票や郵便投票も手段だと思うが、投票の自由が守られない可能性もある」

 -新型コロナ禍で政治と自分たちの生活が近いと感じる若者も増えたのでは。

 「若者の政治や選挙に対する関心が県内でも高まっていると思う。ただ、投票に行くことが習慣化している高齢者らに比べ、若者は『選挙に行くことは不要不急の外出になる』と思ってしまう恐れもある。感染者数が高止まりしたままだと、言い訳にして投票に行かない若者が増え、若年層の投票率低下につながりかねない」

 -若者からは、選挙や政治の知識を得る際にSNSを使うという声が聞かれます。

 「政治家が若者に政治や公約について発信する上でSNSは有効な手段だ。ただ、しっかり考えを組み立てて冷静に発信できればの話。SNSでは、あまり質の高くない意見を言い切ったような情報が多く拡散されがちで、発信する際には注意が必要だ」

 -SNSなら手軽に情報を得られます。

 「SNSではその人の閲覧履歴などから偏った情報が集まりがちだ。SNSで情報収集する時は、誘導される危険性を認識し、さまざまな意見を聞く姿勢と、幅広い情報に接する努力が必要だ」

 -最後の質問です。選挙に行かなきゃダメですか?

 「選挙に行って投票率を上げること自体が大切だ。若年層の投票率が上がると、政治家は政策を立てるときに若者を無視できない。若者の投票率アップこそが、自分たちが暮らしやすい社会に変えるための『武器』だ。『自分の一票では何も変わらない』という考えで選挙に行かないのは損だ」

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