相良村が遊水地検討 農地3カ所、球磨川流域の治水策提案へ

熊本日日新聞 | 2020年12月22日 23:05

相良村が流域治水の遊水地候補として国、県に提案を検討している下鶴地区の農地。右は川辺川、手前は相良大橋=22日、同村深水(高見伸、小型無人機で撮影)

 熊本県相良村が、村内3地区の農地を水害時に水を逃がす「遊水地」の候補地として検討していることが22日、分かった。村は、7月豪雨を受けて国と県、球磨川流域の市町村が検討を進めている流域治水策の一部として提案する予定。球磨川流域の治水策を巡り、遊水地整備への動きが具体化するのは初めて。

 蒲島郁夫知事が2008年、同村に建設を予定していた川辺川ダム計画の白紙撤回を表明して以降、国と県、流域市町村は、川辺川を含む球磨川水系でダムによらない治水策の一つとして遊水地整備を検討。17カ所が候補となったが、農地が犠牲になることへの懸念などから、1カ所も整備できていなかった。

 7月豪雨を受け、国と県、流域市町村は流水型(穴あき)ダムを含む新たな治水計画「球磨川流域治水プロジェクト」を本年度中にまとめる方針。遊水地も検討対象で、国土交通省は18日に県庁で開かれた協議会で、平常時は農地として活用する「地役権補償方式」と、地盤を掘り下げて貯水容量を確保する「掘り込み方式」を市町村長らに提示。7月豪雨の人吉地点のピーク流量毎秒7900トン(推計)のうち、遊水地で300トンを削減する試算を示した。

 相良村の候補地は、川辺川沿いの同村柳瀬の中洲地区9ヘクタール、深水の下鶴地区6ヘクタール、川辺の蜻木[へぼのき]地区11ヘクタールで、水稲やタバコを生産する田畑が大部分を占める。ダムによらない治水の候補地17カ所とは別の場所だが、同プロジェクトの遊水地整備対象地域内。

 一帯は7月豪雨の川辺川氾濫で、土砂の流入や農地の流失などの被害を受けた。過去にもたびたび浸水しており、一部の所有者から行政の買い上げなどによって治水に活用するよう求める声が村に寄せられていた。

 村は今後、遊水地の方式や合意形成の方法などについて所有者らと協議を進める。洪水調節効果などはまだ試算していないという。

 一方、国交省は「これまでのダムによらない治水の議論や土地の利用状況、洪水調節効果などを総合的に評価し、遊水地の効果的な配置を検討する」としている。(隅川俊彦、小山智史)

記事アクセスランキング

  1. ${ranking.title}

※アクセス数(24時間以内)を元に集計

フォローする

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • youtube
  • note