「だご」か「だんご」か? 「だごじる」9割も「いきなり団子」は「だんご」8割 アンケート

熊本日日新聞 | 2021年06月22日 11:01

輪切りにしたサツマイモと小豆あんを小麦粉の生地で包んだ郷土菓子「いきなり団子」=熊本市の一休本舗

 熊本の郷土菓子「いきなり団子」の読み方(呼び方)について、熊日の「SNSこちら編集局」が公式LINE登録者に聞いたところ、8割の人が「いきなりだんご」と回答した。団子汁では9割が「だごじる」としており、同じ「団子」でも、方言の「だご」と「だんご」の使い分けが進んでいるようだ。

 アンケートは「和菓子の日」(16日)にちなみ、同日から20日に実施し、主に県内の2401人が回答した。

 全体で「いきなりだんご」が81・8%、「いきなりだご」が18・2%。「いきなりだんご」は、19歳以下(98%)と20代(93%)で9割を超えたほか、30~50代も80%台。年代に比例して「だご」の割合が増し、60代は29%、70歳以上は42%が「だご」派だった。男女別では「だご」は男性29%に対し、女性は14%と半数だった。

 一方、「だごじる」は89・5%で、「だんごじる」の10・5%を圧倒。「だご」は全年代で90%前後で、19歳以下(98%)の方が、70歳以上(89%)よりも高かった。男性96%、女性87%だった。

 寄せられた声では、「祖父母はだご、両親はだんご」という熊本市の30代女性はどちらも、だんご。「県外で紹介する時は気取ってだんご、帰省したらだご」(県外、60代女性)などの使い分け派もいた。

 「団子とだごは本質的に違う」(熊本市、70歳以上男性)、「だごは手づくり」(菊池市、60代男性)など方言のニュアンスを大事にする人も。ホットケーキやお好み焼きを「焼きだこ」と呼ぶとの声も多かった。

 「いきなっだご」「だごじゅっ」など発音へのこだわりも多数。「だごきつか」(とてもきつい)など、「だご」といえば、食べ物ではなく、熊本弁の強調の副詞としてイメージする人も相次いだ。

 農林水産省「農山漁村の郷土料理百選」(2007年)は、県内から「馬刺し」「からしれんこん」と並び、「いきなりだご」を登録。一方、同百選では大分県はだごじるに似た「手延べだんご汁」が選ばれており、同県出身者からは「だんごをだごと省略することに驚いた」(熊本市、20代女性)などの声も複数あった。(岩下勉)

「いきなりだご」の商品名で販売する児玉商店の児玉泰紀社長=玉東町
児玉商店の「いきなりだご」。皮は小麦粉に砂糖と塩を加えただけの昔ながらの味にこだわる

 ■業界は「だんご」で統一、「だご」にこだわる店も

 県菓子工業組合の「いきなり団子部会」(香山勇一部会長、21店)は2017年、「熊本いきなり団子」として地域団体商標登録し、読みは「だんご」に統一した。一方で昔ながらの「だご」の商品名にこだわる店もある。

 同部会は「今は小麦粉に米粉や餅粉を混ぜ、皮のもちもち感を増すなど味の工夫を重ねており、だんごの方がぴったり合う。県外でも通じ、ブランド化も図りやすい」と話す。

 各店からは「だんごの方が上品なイメージ」(一休本舗)、「家庭内ではいきなりだご、お店ではだんごで使い分けている」(いきなりやわたなべ)などの声があり、商品名は「だんご」が主流だ。

 一方、玉東町の「児玉商店」の商品名は「いきなりだご」だ。児玉泰紀社長(72)によると、1947年の創業時に母親があん入りの新商品を発売。当初は「からいもだご」の商品名だったが、70年ごろに「いきなりだご」に変えたという。

 皮は小麦粉に砂糖と塩を加えただけ。児玉社長は「だごは、昔ながらの味で作り続けているというこだわり」と話した。

 いきなり団子は、昭和30年代の観光本「火の国ガイド」(熊本日日新聞社)では「イキナリダゴ=サツマ芋[いも]を麦粉で包んでふかしたもの」と紹介され、汁ものの「イキナリダゴジル」も登場するが、あんは入っていない。昭和40年代後半の「熊本の名産」(同)では「最近はつぶあんも包み込んである」と書かれており、あん入りが普及したのは、その頃からのようだ。(岩下勉、丸山伸太郎)

 ◇いきなり団子=輪切りにしたサツマイモと小豆あんを小麦粉の薄皮で包んだ、まんじゅうの形をした熊本県の郷土菓子。名前の由来は、いきなり客が来てもすぐに作ってもてなせる、生のイモを調理する「生き成り」など諸説ある。

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