訪日客の出足好調、雪がけん引 混雑緩和や地方分散は道半ば
2025年の訪日客数は、1月末に始まった中国の春節(旧正月)の影響もあり出足好調だった。雪や温泉など冬の風物詩が集客をけん引した。一方、混雑緩和や滞在先の地方分散など、政府が掲げる「観光の質の向上」は道半ばで、成果が問われる年となる。
日本航空によると、1月の中国路線の旅客数は前年同月比2倍強、香港路線は同2倍弱に達した。「春節で、札幌を中心に地方の需要が高まったのが特徴だ」という。
海外プロモーションを手がけるインタセクト・コミュニケーションズ(東京)の意向調査では、中国人の春節の海外旅行先は日本が24%で首位。訪問先は東京や大阪を抑えて北海道が最も多く「中国で近年ブームのスキーや、温泉を楽しめるのが理由」と分析する。
4月には大阪・関西万博が開幕し、政府関係者は「地方へ足を延ばしてもらう絶好の機会だ」と話す。東アジアからの訪日客が多い福岡市の担当者も「欧米やオーストラリアでは福岡の知名度が低い。存在感を示したい」と意気込む。