ガザ住民、不安と反発 第2のナクバ(大惨事)が始まる
【エルサレム共同】トランプ米大統領が4日、米国がパレスチナ自治区ガザを所有し、住民を域外に移住させるべきだと提案したことに、ガザ住民からは不安と反発の声が上がった。1948年のイスラエル建国で約70万人のパレスチナ人が難民となった「ナクバ(大惨事)」に重ねた住民は「第2のナクバが今始まる」と嘆いた。
「パレスチナ国家樹立の可能性をなくそうとしている」。南部ハンユニスで避難生活を送るマスリーさん(54)が電話取材に応じた。
マスリーさんは「(ガザに)戻ることができないのならガザを離れない」と話す。一方で「若者にとってガザの状況は壊滅的だ。仕事はないし、多くは完全に希望を失っている」と認め、ガザから出ることを多数が受け入れるかもしれないと語った。
ハンユニスに避難するバシーティーさん(19)は、トランプ氏やイスラエルのネタニヤフ首相が「ガザ住民を自分たちの土地に住む権利を持つ人間だとみていない。殺害するか強制退去させるべき犯罪者だと考えている」と批判した。