「派閥会長と事務局長に権限」 旧安倍派裏金巡り野上浩太郎氏
自民党旧安倍派に所属した野上浩太郎氏は5日の参院政治倫理審査会で、派閥裏金事件を巡り、旧安倍派では「政治資金の取り扱いは会長と事務局長で取り決めをしていた」と証言した。他の派閥役員には権能がほとんどない状態で「ガバナンスが効かなかった」とも述べた。
旧安倍派で直近の事務局長を務めていたのは衆院予算委員会で参考人招致の議決をされている松本淳一郎氏。松本氏は招致に応じないとしているが、衆院予算委は改めて出席を要請している。
野上氏は、2023年8月末に同派常任幹事に就いた。収支報告書に不記載となっていたことは23年12月に裏金を巡る報道が出た後に認識したと述べた。秘書に確認したところ「秘書仲間から『収支報告書に記載する必要がない』と聞いた」との報告があったという。
派閥幹部に政治資金パーティー券販売ノルマ超過分を資金還流する慣行が始まった経緯などを聞いたが、政倫審での説明を超える回答はなかったとも語った。真相解明に向けて「努力しなければならない」と弁明した。