農産物輸出12年連続で過去最高 中国が水産物停止で拡大は足踏み
農林水産省が4日発表した2024年の農林水産物・食品の輸出額は前年比3・7%増の1兆5073億円となった。12年連続で過去最高を更新。海外での日本食人気が輸出を後押しした。政府は25年に2兆円とする目標を掲げている。原発処理水の放出に伴う中国の日本産水産物の輸入停止措置が続き、さらなる拡大には足踏みとなった。
中国向けは前年比29・1%減の1681億円で2年連続のマイナス。多額だったホタテ貝やナマコなどの禁輸が響き水産物では89・9%減の61億円だった。非食品の輸出は可能でニシキゴイ、真珠があった。景気減速も影響してウイスキーも減少した。
輸出額全体の2割近くを占めた。中国向けからホタテ貝の輸出転換が進んだほか牛肉、日本酒なども増加した。2位は香港、3位は台湾と続いた。
品目別で輸出の増加幅が大きかったのはコメで27・8%増の120億円、数量は4・5万トンだった。米国や香港などで増加している日本食レストランでの需要が背景にある。欧米での抹茶人気の高まりで、緑茶は24・6%増の363億円。