【独自】警察庁、歩車分離信号の条件緩和 全国の交差点で導入後押し
交差点で歩行者と車の青信号のタイミングを分ける歩車分離式信号について、警察庁は31日までに、23年ぶりに指針を改定し、導入を検討すべき交差点の条件を大幅に緩和した。全国で積極的な整備を促す。通学路付近を含め児童ら歩行者を守るため、導入を後押しするのが狙い。同日、各警察本部に通達した。
同庁の幹部は「歩車分離式は安全面で大きな有効性がある。『人』優先の交通社会を一層進展させたい」としている。
歩車分離式信号はスクランブルなど4方式あり、横断歩道が青信号のときに車道を赤信号にしたり、右左折をさせないようにしたりし、歩行者が事故に遭う危険性を低減できる。一方で渋滞が生じる恐れもあり、導入には円滑な車の流れとのバランスが求められる。
警察庁は2002年、初めて指針を作成し、設置を検討するよう求めた。24年3月末時点で全国の信号機約20万6千基のうち歩車分離式は約1万基で4・98%にとどまり、十分に導入が進んでいない。