「夫の死の真相、知りたい」 新たな文書の開示に期待
夫はなぜ死ななければならなかったのか。自殺した財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さん(53)は、真相を突き止めたい一心で闘い続けてきた。「原判決を取り消す」。30日、大阪高裁の判決言い渡し後、取材に応じた雅子さんは「何のために改ざんを強いられたのか知りたい」と新たな文書の開示に期待を寄せた。
2023年、文書の開示を拒む国の主張を認める一審判決が言い渡された時には落ち込んだという雅子さんは、友人たちの励ましを頼りに自らを奮い立たせてきた。それだけに逆転勝訴は「今まで苦労してきたことが報われた気がした」。俊夫さんの写真を手に報道各社の取材に応じ「喜んでくれていると思う」と亡き夫に語りかけた。
一方で、開示が命じられても「黒塗りがあるかもしれない」と雅子さん。「証拠は国や検察のものではなく、国民のもの。国には情報開示に対して新しい考えを持ってほしい」と訴え、国に対して上告せず速やかに文書を開示するよう求めた。