介護職の基本給、6万円低く 全産業平均に比べ、労組調査
労働組合の日本介護クラフトユニオンは30日、介護職員の2024年7月の基本給が平均26万5711円だったとの調査結果を公表した。全産業平均の33万200円より6万4489円低かった。組合は他産業の賃上げに追い付いていないとして政府に改善を求める。
介護職員の給料は、公費や保険料を財源とする「介護報酬」で賄っている。物価高で事業運営コストが増加し、多くの介護事業者が経営に苦しむ中、人手不足も深刻化。組合の染川朗会長は記者会見で「現場は『長く働いても給料が上がらない』と不安を感じている。報酬の引き上げが不可欠だ」と訴えた。
組合によると、全産業平均との格差は8万1654円だった13年以降は縮小傾向となり、21年には4万2184円になった。その後は他産業の賃上げに追い付かず、22年は5万782円、23年は5万5640円と拡大している。
調査は24年9~10月、有料老人ホームや訪問介護事業所などで働く組合員5544人を対象に行い、3346人から回答を得た。