森友文書、高裁が不開示取り消し 財務省改ざん、遺族が逆転勝訴
森友学園問題に関する財務省の決裁文書改ざんを苦に自殺した元近畿財務局職員の妻が、財務省から大阪地検特捜部に提出された関連文書について、存否を明らかにせず不開示とした同省の決定取り消しを国に求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は30日、決定は違法として取り消した。
元職員は赤木俊夫さん=当時(54)。一審で請求を棄却された妻雅子さん(53)の逆転勝訴となった。
文書には財務省が改ざんの経緯や関わった職員を調べた記録が含まれるとみられる。既に公表された同省の調査報告書や、俊夫さんがまとめた「赤木ファイル」では、当時理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官が改ざんを指示したとされている。今後判決が確定すれば財務省は改めて開示か不開示かを判断するとみられ、開示された場合に新事実が明らかになるかどうかが焦点となる。
牧賢二裁判長は判決理由で、文書改ざん事件が既に不起訴とされ捜査が終結しており、文書の存否を回答しても「捜査に支障を及ぼす恐れがあるとはいえない」とした。