ワイヤ切れ中断、新たな陥没も 不測の事態が続出、住民不安
時折雨が降る中、救出活動は中断を挟みながらも夜通し続いた。28日午前、埼玉県八潮市の県道で発生した陥没事故。転落したトラックの引き上げ作業は、途中で大型クレーンのワイヤが切れ、そばで新たに陥没があり看板が倒れるなど不測の事態が続出した。地下のガスが漏れる懸念もあり、避難した近隣住民は29日、不安に包まれた。
消防は事故後、民間企業などからクレーンを調達し、トラックをワイヤでつり上げる方法で運転手の男性(74)の救助を試みた。だが28日午後8時半ごろ、突然ワイヤが切れ、穴の中から「ドーン」という地鳴りのような音が響き、作業は一時中断した。
午後9時ごろには、3台目のクレーンが到着。日付が変わり翌29日午前1時過ぎ、ようやく荷台部分が地上に姿を見せた。だがその直後、近くの飲食店の巨大な看板が、電柱とともに「ガッシャーン」と音を立てながら倒れ、すぐ近くには新たな陥没も出現した。
県警は午前2時ごろ、近くにいた報道陣に「ガス管が破損する可能性がある」と伝え、パトカーで住民にも市役所への避難を呼びかけた。