ガザ住民22万人が北部帰還 破壊深刻、支援拡大訴え
【ニューヨーク、エルサレム共同】国連は27日、パレスチナ自治区ガザの停戦合意に基づき、避難先から北部に帰還した住民が同日だけで約22万人に上ると明らかにした。イスラエル軍がガザを南北に隔てる軍事区域「ネツァリム回廊」を一部開放し、移動を許可していた。軍の攻撃で北部は壊滅的な被害を受けており、ガザ当局は支援拡大を訴えた。
イスラエル軍は2023年10月の戦闘開始以降、北部住民に退避を要求し、地上部隊の投入や空爆を繰り返した。中部や南部に逃れた住民は65万人に上るとされる。住民の帰還は続く見通しで、ガザ当局は13万以上のテントや仮設住宅が早急に必要だとしている。
国連は停戦合意により、北部などこれまで立ち入りが困難だった地域にも支援物資の搬入が進んでいると評価。支援をさらに強化するとしている。
イスラエルの想定通りに人質の民間人女性1人が解放されず、住民の北部帰還は当初より遅れたが、この女性の解放にめどが立った上、他の人質2人も前倒しで解放されることになり、イスラエルが住民の移動を認めた。