トランス選手巡り方針転換 米政権、多様性後退へ

共同通信 2025年1月26日 15:20
 競泳で男性から性別転換し、米大学の女子種目で活躍したリア・トーマス選手(AP=共同)
 競泳で男性から性別転換し、米大学の女子種目で活躍したリア・トーマス選手(AP=共同)

 【ロサンゼルス共同】再就任したトランプ米大統領は連邦政府が認める性別を男性と女性だけと宣言し、スポーツでは女性を自認するトランスジェンダー選手の女子競技への参加を認めない意向を表明した。LGBTQ(性的少数者)の権利擁護を推進してきたバイデン前政権からの方針転換は、多様性を志向してきたスポーツ界にも大きな影響を与えそうだ。

 米国ではここ数年、学生スポーツを中心にトランスジェンダー選手の競技参加が論議を呼んでいる。競泳では男性から性別変更したリア・トーマス選手が女子種目で活躍して物議を醸し、女子バレーボールではトランス選手が在籍するとされるサンノゼ州立大との対戦を拒否するチームが相次ぐ事態が発生。訴訟も起こされている。

 性別を巡る騒動は国際大会にも広がる。昨夏のパリ五輪の女子ボクシングでは、前年の世界選手権の性別適格検査で不合格だったイマネ・ヘリフ選手(アルジェリア)が金メダルを獲得し、対戦相手からも不満が噴出。トランプ氏はヘリフ選手を「優れた男性ボクサー」と、対立をあおった。

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