米のWHO脱退、アフリカで反発 感染症対策に悪影響「落胆した」
【ナイロビ共同】トランプ米大統領による米国の世界保健機関(WHO)脱退表明を受け、エムポックス(サル痘)など感染症への対応が課題のアフリカで反発が相次いでいる。最大の資金拠出国である米国が離脱すれば対策に悪影響が出かねず、アフリカ連合(AU)高官は「落胆した」として再考を促した。
マラリアやエボラ出血熱といった感染症に悩まされてきたアフリカには財政的に脆弱な国が多く、ワクチン不足や検査体制の不備を改善するためにWHOや先進諸国の支援を受けてきた。
昨年以降コンゴ(旧ザイール)を中心に拡大したエムポックスを巡っては、日本などからのワクチン供与に向けてWHOが奔走。ロイター通信によると、エイズ対策で米国の支援を受けてきた南部ジンバブエのヌーベ財務相は、WHO離脱が米国による他の支援枠組みにも影響を与えかねないとして「恐怖を感じている」と訴えた。
エムポックスは昨年、アフリカ21カ国で疑い例を含む7万7千件以上が確認され、収束の見通しは立っていない。