西岸に「新たな戦闘目標」 イスラエル、極右政党に配慮

共同通信 2025年1月23日 18:39
 ヨルダン川西岸ジェニンで、イスラエル軍の軍事作戦の間、通りを歩くパレスチナの人々=22日(ロイター=共同)
 ヨルダン川西岸ジェニンで、イスラエル軍の軍事作戦の間、通りを歩くパレスチナの人々=22日(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍がヨルダン川西岸ジェニンで大規模な掃討作戦を始めた。パレスチナ自治区ガザが19日に停戦に入ったばかりだが、今度は西岸で攻勢を強めた。イスラエルのネタニヤフ首相はガザ停戦に強く反対する極右政党に配慮したとみられ、極右は西岸が「戦闘の目標に新たに加わった」と主張。今後、民間人も巻き込んだ被害が拡大する恐れがある。

 「大規模で重要な意味を持つ」。ネタニヤフ氏は声明で、21日にジェニンでの作戦を開始したと発表した。パレスチナ通信は、これまでに10人が死亡したと伝えた。国連人道問題調整室(OCHA)によると、医療従事者にも死傷者が出たとし「極めて憂慮している」と訴えた。

 西岸では2023年10月からのガザ戦闘を受けてイスラム組織ハマスの存在感が高まり、イランからの武器流入も指摘されてきた。作戦は武装勢力の掃討が表向きの理由だが、背後に二つの極右政党が見え隠れする。

 いずれもガザ戦闘継続を求め、うち一つ「ユダヤの力」は停戦発効当日にネタニヤフ連立政権から離脱した。

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