中国の邦人切り付けで死刑判決 「極めて悪質」、蘇州の裁判所
【蘇州共同】中国江蘇省蘇州市で昨年6月に日本人母子らが切り付けられ中国人女性が死亡した事件で、同市中級人民法院(地裁)は23日、中国人の無職周加勝被告(52)に故意殺人罪で死刑を言い渡した。日本外務省が明らかにした。判決は、借金苦が動機の「極めて悪質」な犯行だと指摘した。
中国側は昨年、被告は「法によって正しく処分される」と日本側に説明していた。中国は日本との関係改善へ動いており、対中感情の悪化は防ぎたい意向とみられる。
事件では日本人学校のスクールバスを停留所で待っていた30代女性と未就学の男児が負傷。男を止めようとしたバス案内係の中国人女性、胡友平さん=当時(54)=が刺されて死亡した。
判決は、被告が「借金苦から生きているのが嫌になり、子どもを含む3人を殺傷した。犯行は極めて悪質で社会的影響が重大だ」と認定した。被告は安徽省から来て犯行に及んだ。
被告は現場で拘束されて11月29日に起訴された。今月9日の初公判も23日の判決公判も日本の報道陣には公開されなかった。