元相談役の報酬返還命令 京都新聞請求、全額認める
京都新聞ホールディングス(HD、京都市)と子会社2社が、大株主で相談役だった白石浩子氏(84)に支払った報酬計約5億円の返還を求めた訴訟の判決で、京都地裁は23日、会社法に違反する利益供与に当たると認め、請求通りの支払いを命じた。
松山昇平裁判長は判決理由で、白石氏が株主総会で経営方針に異議を述べた場合には円滑な経営が困難になる状況があり「支払いは、株主権の不行使の見返りとしてされ、利益供与に当たる」と認定。「ほとんど職務を行っていなかったにもかかわらず、高額な報酬を受領していた」と指摘した。
判決によると、白石氏は1987年から2021年まで各社の相談役を歴任した。支払いを命じたのは、時効にかからない12~21年の各社の相談役報酬で、HDが肩代わりした白石氏の私邸管理費用も利益供与と認めた。
白石氏の代理人弁護士は「判決を見ておらず、依頼人の意思が分からないためコメントできない」とした。