加害者家族の生きざまを伝える オウム事件の記録映画上映目指す

共同通信 2025年1月23日 15:18
 東京都内の山に登り、長塚洋さん(左)の取材を受ける松本麗華さん=2024年4月
 東京都内の山に登り、長塚洋さん(左)の取材を受ける松本麗華さん=2024年4月

 オウム真理教の事件で松本智津夫元死刑囚=教祖名麻原彰晃=ら元教団幹部13人の死刑が執行されてから約6年半。今も当事者と向き合う映像作家がいる。6年がかりで1本のドキュメンタリー映画を制作し、今春の上映を目指す。加害者家族はどう生きてきたのか―。主人公は松本元死刑囚の三女麗華さん(41)だ。

 制作したのは長塚洋さん(66)。きっかけは2018年2月、保険金殺人事件で弟を殺害された原田正治さん(77)の呼びかけで麗華さんと原田さんとの対談が実現したことだった。被害者側と加害者側という異なる立場でありながら、2人とも社会から置き去りにされ、孤立したと打ち明けた。2人をつなげたのが長塚さんだった。

 麗華さんは就職しても解雇され、銀行からは口座の開設を断られた。父親の死刑執行後には、交流サイト(SNS)のアカウントに「ざまあみろ」「あなたは幸せになってはいけない人生」と書き込まれた。

 映画の仮題は「それでも私は」。長塚さんは言う。「加害者の家族だというだけで幸せを求める権利を奪っていいのですか」

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