東京女子医大の元理事長を逮捕 1億円超不正支出疑い、警視庁

共同通信 2025年1月13日 11:17
 岩本絹子容疑者(東京女子医大の公式YouTubeから)
 岩本絹子容疑者(東京女子医大の公式YouTubeから)
 東京女子医大=2024年3月、東京都新宿区
 東京女子医大=2024年3月、東京都新宿区
 警視庁本部に入る岩本絹子容疑者(右)=13日午前
 警視庁本部に入る岩本絹子容疑者(右)=13日午前

 東京女子医大の新校舎建設工事を巡り、建築士に不当な報酬を支払って大学に約1億2千万円の損害を与えたとして、警視庁捜査2課は13日、背任の疑いで同大元理事長岩本絹子容疑者(78)を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。警視庁は支出の一部を自身に還流させた可能性もあるとみて全容解明を進める。

 同窓会組織「至誠会」の不透明な資金の動きなどを調べた第三者委員会は昨年8月、岩本容疑者に権限が集中し、ガバナンス不全だったとする報告書を公表。大学は理事長だった岩本容疑者を解任した。大学を巡る混乱は元トップの刑事事件に発展した。

 逮捕容疑は2018年7月~20年2月ごろ同大河田町キャンパス新校舎2棟の建設工事を巡り、1級建築士の男性(68)がコンサルティング業務をしていないのに報酬約1億2千万円を支払い大学に損害を与えた疑い。

 第三者委の報告書によると男性は16年4月に非常勤嘱託職員として大学に雇用された。16~19年に給与計約2千万円を得たほか、18~22年には給与とは別に報酬として約3億円も受け取った。

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