「原爆の図」、世界から関心 平和賞が追い風、丸木美術館

共同通信 2025年1月4日 05:27
 原爆の図の説明をする学芸員の岡村幸宣さん=2024年12月、埼玉県東松山市
 原爆の図の説明をする学芸員の岡村幸宣さん=2024年12月、埼玉県東松山市

 被爆の惨状が描かれた連作絵画「原爆の図」が世界から関心を集めている。埼玉県東松山市の原爆の図丸木美術館が長年常設展示してきたが、戦後80年となる2025年にはオーストラリアの美術館でも展示される。日本原水爆被害者団体協議会のノーベル平和賞受賞なども追い風となり、学芸員の岡村幸宣さん(50)は「核は人類共通の問題。多くの人に興味を持ってほしい」と話す。

 丸木美術館によると、原爆の図は画家の故丸木位里・俊夫妻が制作。大きさは横7・2メートル、縦1・8メートルで、全15部のうち14部を同館が所蔵する。

 25年11月~26年3月には豪クイーンズランド州の美術館で展示する。現地の学芸員から「被爆80年で展示したい」と打診を受けたのがきっかけだった。

 近年は海外の美術史などの研究者から問い合わせも増えている。ロシアによるウクライナ侵攻後、ロシアの若者が「調査したい」と訪ねてきたこともあり、岡村さんは「戦争や原発事故が起きるたび、関心を持つ人が増える」と指摘する。

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