中学教諭4割、月の残業上限超え 23年度、過労死ラインも8%
2023年度の月平均残業時間が国の指針が定める上限45時間を超えた教諭は、中学校で42・5%に上ることが26日、文部科学省の調査で分かった。過労死ラインとされる80時間超も8・1%。文科省は、減少傾向にあるものの長時間労働が多い状況に変わりはないとして、業務の外部委託や情報通信技術(ICT)の活用による働き方改革を進める。
他の学校種の上限超えは、小学校24・8%、高校28・2%、特別支援学校8・4%。文科省は特に中学教諭が長時間労働になっているのは、部活動指導や不登校対応が要因とみている。
同日公表した23年度実施の公立学校教員の採用試験競争率(倍率)は小中高いずれも過去最低で、教職人気の低迷が浮き彫りとなった。
教諭の残業時間は、都道府県と政令指定都市、市区町村の計1798教育委員会を通じて調査。政府は29年度までに残業時間を月30時間程度に減らすことを目標に掲げており、文科省は25年度からより詳細な実態把握を進め、勤務時間縮減の進捗度合いをみる指標とする。