弾薬原料の綿花栽培に着手 ウクライナ、設備投資に課題
世界で紛争が拡大し弾薬需要が高まる中、ウクライナが弾薬用火薬の原料にもなる綿花栽培に着手した。気候条件などからこれまで生産されてこなかったが、今秋に試験栽培に成功した。成分や品質を分析し増産も計画する。ただ火薬の製造には大規模な投資が必要で、今後の課題となる。
「戦時下ではこのような原料は極めて重要だ」。ウクライナのコワリ農業食料相は10月、綿の実を110キロ収穫したと発表した。5ヘクタールほどの農地で春に始めた試験栽培で、米国やドイツから輸入した5品種全てで実がなった。将来的に3万ヘクタールに農地を広げるという。
綿の実を包む産毛のような繊維は、化学処理を経て弾薬用火薬の主原料となる。