年金底上げ、実施に条件 「経済停滞すれば」で政府検討
政府が、厚生年金の積立金を活用して全ての国民が受け取る基礎年金(国民年金)を底上げする改革案で「経済が停滞すれば実施」といった条件を設ける案を検討していることが分かった。関係者が18日、明らかにした。経済停滞で雇用情勢が冷え込むなどして年金財政が悪化し、給付水準が著しく低下するのを避けるため。経済成長が順調なら給付水準は高く保たれることから、底上げの必要性は乏しいと判断したとみられる。
政府は、来年の通常国会への提出を目指す制度改革の関連法案に条件を盛り込む方向で調整する。
自民党は18日、年金委員会などの会合を開き、底上げは経済停滞時に実施するよう求める提言をまとめた。
両年金はそれぞれ財政が安定するまで「マクロ経済スライド」という仕組みで給付水準を抑制している。抑制は、厚生年金が2026年度に終了するのに対し、基礎年金は57年度まで続くため、基礎年金の水準低下が激しい。
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