韓国大統領が非常戒厳宣言 「野党が内乱画策」、言論を統制
【ソウル共同】韓国の尹錫悦大統領は3日夜(日本時間同)、最大野党「共に民主党」が議席の過半数を握る国会を利用して国政をまひさせているとして「憲政秩序を守るため、非常戒厳を宣布する」と表明した。戒厳司令部が稼働し「国会や地方議会、政党の活動と、政治的結社、集会、デモなど一切の政治活動を禁じる」などとする布告令を発表。言論と出版も統制を受けると表明した。
戒厳司令部の兵士は国会本館に突入したが、国会の禹元植議長は4日未明「非常戒厳」の解除を要求する決議を可決したと明らかにした。禹氏によると、兵士らは国会本館から撤収したという。
戒厳令の宣言は1980年代初頭以来で87年の民主化後は初めて。尹氏は、政権の方針と対立する法案提出や採決の強行などを繰り返す野党を「内乱を画策する明白な反国家行為だ」と批判したが混乱は必至。
韓国憲法によると、国会議員の過半数が戒厳令の解除に賛成した場合、大統領は要求に応じなければならない。
与党「国民の力」の韓東勲代表は「誤った戒厳を必ず防ぐ」と批判する談話を発表した。