阪神大震災30年で復興事業終結 甚大被害の神戸・長田で式典
1995年1月の阪神大震災で甚大な被害が出た神戸市長田区で続いていた「震災復興市街地再開発事業」が完了し、30日に記念式典が開かれた。市の主導で古い木造家屋や商店が密集していた街並みを一新し、耐震性能に優れた高層ビル群や防災公園などを整備する巨大プロジェクトで、来年1月の震災発生30年を前に、兵庫県内全ての復興再開発が終結した。
1月17日の震災後、県内で被害が大きかった6地区で自治体などが土地を買い上げ、再開発事業の枠組みで復興を急いだ。だが約2千人の地権者との交渉は難航し、2004年3月の予定だった事業完了は延期を繰り返した。現在も商業用スペースの58%が売れ残り、地価下落の影響も受け、市は502億円の赤字を抱える。ビルに入居した商店も集客の低迷や高額な管理費に苦しんだ。
事業完了のめどがたった20年、市は事業の検証結果を発表。地区人口が震災前の1・4倍に増え、被災者の生活再建や災害に強いまちづくりなどの目的はおおむね達成したと総括した一方、商業面のにぎわいに課題が残るとした。