国宝埴輪の装い「実物」で 奈良の博物館、復元品も
東京国立博物館の記念特別展「はにわ」は、国宝「挂甲の武人」など、姿が似た武人埴輪が並ぶ展示で大人気だ。埴輪は古墳時代の人々の装いなど風俗を知る鍵とされる。それと同じく考古学上貴重なのが古墳などから出土した遺物。そもそも挂甲って何? 千年以上の時を経て発掘調査などで見つかった「実物」や復元品をそろえ、そんな疑問に答える展覧会が、奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(同県橿原市)で開かれている。
挂甲は、数百枚の細長い小さな鉄板を革ひもや組みひもを使って横方向にとじ、縦方向は何段にも重ねて伸縮するよう蛇腹状に仕立てたよろい。「挂甲の武人」は群馬県太田市で出土したが、12月1日までの会期の特別展「甲冑―古墳時代の武威と技術―」では、近隣の同県高崎市の綿貫観音山古墳(6世紀後半)で見つかった国宝の挂甲を見ることができる。
「挂甲の武人」は白っぽく色付けされていたことが分かり、東京国立博物館の記念特別展では彩色復元品も展示されている。これは、新品の挂甲の銀色に輝く鉄板を表現した可能性があるという。
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