九州沖縄、登録勧告を歓迎 「海外発信の原動力に」
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関が日本酒や本格焼酎といった「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録するよう勧告したことを受け、九州・沖縄各県の酒造関係者らは自慢の銘酒の海外発信強化につながると期待を膨らませた。
「国内外に発信する原動力になる」と意気込むのは、鹿児島県三島村の村営焼酎蔵の杜氏坂元巧斉さん(33)。蔵がある黒島の人口は166人ほど。島民一丸となり原料のサツマイモの収穫や加工に携わる。焼酎製造は島の重要産業だ。
沖縄県酒造組合会長で、老舗泡盛メーカー「瑞泉酒造」(那覇市)の佐久本学社長(55)は、泡盛の国際知名度が高まると歓迎し「さらなる海外進出につなげ、テキーラやジンなど世界四大スピリッツの一角に食い込みたい」と意欲的だった。
60超の蔵元がしのぎを削る福岡県。服部誠太郎知事は5日の記者会見で「酒造りの技術や文化、それらを受け継ぎ発展させてきた人々こそがわれわれのプライドだ」と強調。塩田康一鹿児島県知事は「蔵人の励みとなり、伝統的技術が次世代に継承されることを期待」とした。