ブックカフェでゆったり読書 熊本市内の3店を紹介
書棚からお気に入りの一冊を選び、コーヒーやフードを味わいながら本の世界に浸れるブックカフェ。個性的で魅力ある店が熊本市に相次いでオープンしている。読書の秋、落ち着いた空間でゆったりとした時間を過ごしてみては。(松冨浩之、清水咲彩)
本と音楽と珈琲と、共栄堂
古書店や古着店が並ぶ熊本市中央区の上通並木坂。通りに面したビルの2階にある「本と音楽と珈琲と、共栄堂」は、ビジネス書や熊本県内で発行されていた「月刊タウン情報クマモト」のバックナンバー、小説など幅広いジャンルの約4千冊がずらりと並ぶ。
運営するのは熊本市の広告会社「共栄コア」。「若い世代が文化に触れられる場所を」と3年ほど構想を練り、今年7月に本格オープンした。
店内には並木坂通りを見下ろす大きな窓から光が差し、小国杉で作られたスピーカーや天井からつるした観葉植物が洗練された空間を演出する。月に2~3回利用する40代女性会社員は「店内は音楽が流れていて雰囲気も良い。開放感があり、ゆったりと落ち着いて読書ができます」。
「店内は熊本らしさにこだわった。単なるブックカフェではなく、『文化の発信地』になれば」とオーナーの荒木久尚さん(49)。コーヒー(税別400円)やクラフトコーラ(税別580円)を味わえ、1階のパン店で買った品を持ち込める。
中央区城東町5の40の2階。営業は午前11時~午後7時半。店休は日曜・祝日。支払いはキャッシュレスのみ。情報はインスタグラムで発信中。
読書喫茶S’ping
熊本市電の健軍交番前電停そばに5月に開店した「読書喫茶S’ping(すぴん)」。ネイビーブルーの2階建てに「読書喫茶」ののぼり旗が目印だ。
読書のための「家よりもくつろげる空間と時間」の提供-がコンセプト。店の名前は、店長の川上聖平さん(28)が、本に付いているひも状のしおり「スピン」にちなんで名付けた。
落ち着いた雰囲気の店内は壁一面に約3千冊の本が並ぶ。純文学系の小説を中心に、店長好みの作品をそろえる。テーブルやカウンターなど16席のうち、書棚の奥に2枠だけある半個室の席(1人掛け)が本の世界に没頭するにはお薦め。
こだわりの豆からドリップした日替わりコーヒー(650円)や、看板メニューの濃いめに味付けしたナポリタン(1100円)を味わいながら、時間を忘れて読みふけるのもいい。
川上店長は東区出身で、店を目当てに健軍エリアを訪れてもらえるよう店の場所を選んだ。「読書会などの会場としても利用され、本好きのコミュニティーが生まれるといいですね」
東区新生1の1の22。営業は午前10時~午後9時。月曜定休。☎050(8882)7766。
Ellery珈琲店
優雅な気分でコーヒーと読書に浸りたい人にお薦め。旧熊本市民病院跡地近くの住宅地にたたずむ「Ellery(エラリー)珈琲店」は隠れ家的なカフェだ。
小説好きの店主、安部翔平さん(38)が2016年12月に開き、ミステリーやホラー小説など約1500冊を並べる。店名は推理作家エラリー・クイーンにあやかった。自身は作家の綾辻行人さんや麻耶雄嵩さんの作品がお気に入りという。
英国風の店内に入ると、カウンター奥に並んだ海外の高級カップが目を引く。約100個の中から客のイメージや好みに合わせて選び、一杯を注いでくれる。
メニューは3種類の豆を使って仕立てたブレンドコーヒー(600円)や、手作りプリン(300円)など。「日常とは異なる静かな空間でじっくり味わってほしい」と安部さん。
東区湖東1の11の24。営業は午前11時~午後7時。水曜定休。☎096(365)2700。
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