球磨川の治水、流水ダムを柱に 協議会策定、熊本豪雨規模に対応 

熊本日日新聞 | 2021年03月25日 09:34

 昨年7月の記録的豪雨で氾濫した球磨川の治水対策に関し、国土交通省や県、流域市町村などでつくる協議会は24日、オンライン会合を開き、支流・川辺川への新たな流水型ダム建設を柱とする「流域治水プロジェクト」をまとめた。宅地のかさ上げや遊水地の整備、田んぼダムの普及などハード・ソフト両面の対策を組み合わせ、昨年と同規模の豪雨にも対応できる態勢を目指す。

 流水型ダムについては国交省が2021年度から調査を本格化。洪水調整を目的とした可動式ゲートの設置など、ダム構造の具体的な検討を進める。30年度以降「完成を図る」としたが、具体的な完成時期や規模、建設場所は示さなかった。

 施策のスケジュールでは、災害からおおむね5年の「第1段階」で、河道掘削や堆積土砂の撤去、宅地かさ上げを進める。かさ上げについては、熊本県八代市が坂本支所一帯で地盤を3メートル高くする。球磨村の神瀬地区は「住民の意見を聞き、高さや範囲を決める」とした。

 おおむね10年以内の「第2段階」では、球磨村の渡地区で約600メートルにわたり川幅を最大50メートル拡大。流域全体で計600万トンの洪水を貯留できる遊水地の整備も進める。

 第2段階までの治水効果は、昨年7月の豪雨時より人吉市中心部の浸水は浅くなるが、範囲は大きく変わらないと推定。水上村の県営市房ダム再開発と川辺川の流水型ダム建設で、堤防を超えない水位になるとした。

 想定を上回る規模の水害を受け、治水の基本的な方向性を定めた「河川整備基本方針」の変更と、当面の具体策となる「河川整備計画」の策定も盛り込んだ。

 豪雨災害後、ダム建設容認に方針を転換した蒲島郁夫知事は会合後、「命と環境を両立させるための流水型ダムを含む全体像が示された」とプロジェクトを評価した。

 県は今月2日、被災した県南地域の復旧・復興プランに関し、防災や減災のほか、住まい再建や産業再生、交通インフラ整備なども含む工程表を公表した。今回のプロジェクトは治水対策に焦点を絞り、国と県が市町村の意見も参考に取りまとめた。(潮崎知博)

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