「泗」が地名になった訳は? 菊池市泗水町で「方言漢字」講演会
話し言葉に方言があるように、特定の地域でしか使われない「方言漢字」の研究家・昼間良次さん(50)=埼玉県八潮市=が20日、菊池市泗水町の泗水公民館で講演。全国で唯一地名に採用されている「泗」の由来や、地域文化が溶け込む方言漢字の魅力を語った。
泗水は、1889(明治22)年の村成立時に、漢学者だった初代村長が名付けた。合志川の支流4本(矢護川、小原川、若木川、鞍岳川)が合流する場所で、合志郡にあったことから、儒教の祖である孔子を掛け、孔子生誕の地である中国山東省泗水県にちなんだ。
昼間さんが住む八潮市の大字垳[がけ]を取り上げ、〝土が流れ行く〟という意味の「垳[がけ]」の字が12年前の区画整理による地名変更で消失しそうになったことなども紹介。「方言漢字は生活や体験と無意識につながっている。地域文化の象徴で、タイムカプセルのようだ」と力説し、「熊本に残る方言漢字をぜひ探してみて」と呼びかけた。
昼間さんは独協大学(埼玉県)で事務職員をする傍ら、全国を行脚して方言漢字を研究。2023年に刊行された方言漢字事典の編さんに携わった。文献提供などで協力した菊池市中央図書館が講演を企画した。
講演は40人が聞き、泗水町の60代男性は「目からうろこの話がいっぱいだった。多様性のある文字として、残していかなければならない」と感銘を受けていた。(草野太一)
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