熊本市でTSMC学ぶ連続講座スタート 初回の講師・大東文化大教授「半導体は台湾の生き残り戦略」
半導体受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の戦略と台湾の政治経済の動向を学び、熊本の経済成長を考える連続講座が17日、熊本市中央区のびぷれす熊日会館で始まり、有識者が半導体を核とした台湾の生き残り戦略を解説した。
初回は元朝日新聞記者で大東文化大教授を務めるジャーナリストの野嶋剛氏(56)がオンラインで講演した。TSMCをはじめ、世界的なシェアを持つ台湾の受託生産企業を紹介し、「台湾では、発注元と下請けは対等だ。発注元が上、下請けが下という発想を変えるべきだ」と指摘した。
中国との関係を踏まえた台湾の生き残り戦略については、「半導体は中国の圧力に対する強い武器。台湾の同性婚の法制化も中国との違いを明確にしている」と説明した。TSMCの熊本進出については「半導体は国を左右する戦略物資であり、台湾有事に巻き込まれるリスクもある」とした上で、「100年に一度のチャンスとするために台湾を理解することが重要だ」と呼びかけた。
連続講座「TSMCに学ぶ成長戦略」は、びぷれすイノベーションスタジオ(Bスタ)主催。来年3月まで月1回開く。有料。次回は11月21日で、TSMC元副社長の陳健邦氏がオンラインで登壇する。申し込みはBスタ☎096(288)2236。(深川杏樹)
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