TSMCと熊本大、熊本県立大 地下水保全へ共同プロジェクト 「持続可能な地下水利用へ」 水位や水質、長期的に分析

熊本日日新聞 2024年10月9日 21:09
地下水保全の共同研究プロジェクトに取り組むTSMCやJASM、熊本大、熊本県立大の関係者=9日、熊本市
地下水保全の共同研究プロジェクトに取り組むTSMCやJASM、熊本大、熊本県立大の関係者=9日、熊本市

 菊陽町に進出した半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)と子会社のJASMは9日、熊本大、熊本県立大とそれぞれ地下水保全に向けた共同研究プロジェクトを立ち上げた。長期的な地下水位の観測や水質分析を通じて、熊本での持続可能な地下水利用を目指す。TSMCが大学と共同で環境に関する研究をするのは初めて。

 TSMC側は既に両大学と交わしている覚書に基づき、菊陽町の工場敷地内にある井戸の水質や水位といったデータを提供。研究に必要な資金も支援する。両大学では専門の教授がTSMC側から提供を受けたデータや、工場周辺の井戸などで定期的に観測しているデータから長期的な動向を分析する。

 TSMCは将来的に、研究成果を熊本だけでなく世界的な地下水保全に生かしたい考え。マーヴィン・チャン技術研究ディレクターは「将来、研究結果がグローバルに波及することを期待している」とした。

 この日は熊本市西区のホテルでプロジェクトの発足式があり、JASMの堀田祐一社長は「地下水は熊本の宝であり、地域のみなさんと一緒に守っていく」と表明。熊本大の小川久雄学長は「地下水の保全や安定的な水資源の確保につなげたい」。県立大の黒田忠広理事長は「地下水保全は、熊本で半導体産業が持続的に発展していくために必要不可欠な取り組みだ」と強調した。(山本文子、立石真一)

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