九州地場企業のTSMCサプライチェーン参入を支援 九州地銀が日台の大学と連携
肥後銀行など九州・沖縄・山口の地銀13行は15日、九州大や台湾の国立陽明交通大が主導する「半導体・日台協業プロジェクト」に参画したと発表した。菊陽町に進出した半導体受託生産最大手、台湾積体電路製造(TSMC)を中心とした半導体産業への地場企業のサプライチェーン(供給網)参入を支援する。
地銀13行は、肥後銀のほか、福岡、西日本シティ、北九州、筑邦、佐賀、十八親和、大分、宮崎、鹿児島、琉球、沖縄、山口。13行は今年、半導体関連企業の集積による「新生シリコンアイランド九州」実現を目指して連携協定を結んでいた。
「半導体・日台協業プロジェクト」は、2023年9月に九州大と台湾・新竹市の陽明交通大が結んだ覚書に基づく取り組み。九州大と陽明交通大がそれぞれ進出を希望する日台企業を選定し、マッチングを進めることで、半導体分野での日台企業の協業を後押しする。
肥後銀によると、九州大は今年2~3月、九州経済連合会を通じて地銀13行に地場企業のリストアップを依頼。13行は台湾企業との取引に意欲的な九州の企業72社を選定した。8月から九州大が企業への聞き取りを始めており、本年度中に日台の企業を交えた面談会の開催を目指している。
日本の中小企業のサプライチェーン参入は、技術力や品質面でハードルが高いとされる。九州大と陽明交通大は、企業との共同研究や人材育成による支援も想定しているという。
肥後銀は「自行の取り組みと協業プロジェクトへの参画で、地場企業の参入支援を続ける」としている。(田代智也)
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