ダム不安払拭へ説明必要 肥薩線守る新スキームを 自民党衆院議員・金子恭之氏<再興 あなたに聞きたい>

熊本日日新聞 | 2021年03月23日 09:59

◇かねこ・やすし 2000年の衆院選で初当選し、7期目。自民党青年局長、農林大臣政務官などを歴任。川辺川ダム計画が白紙撤回された08年当時は国土交通副大臣だった。現在は衆院災害対策特別委員長。あさぎり町出身、早稲田大商学部卒。60歳

 昨年7月の熊本豪雨で被災した地域に、地元選出の政治家としてどう向き合うのか。蒲島郁夫知事が川辺川ダム計画の白紙撤回を表明した2008年当時の国土交通副大臣で、現在は衆院災害対策特別委員長を務める自民党の金子恭之衆院議員(熊本4区)に聞いた。(聞き手・嶋田昇平)

 -豪雨被害をどう受け止めていますか。

 「ダム計画が撤回されたのは本当に残念だった。球磨川は山間部にあるたくさんの支流が本流にまとまり、人吉市に流れてくる危険な川。ダムがなければ、いつ災害が起きてもおかしくない状態だ。国交省から豪雨の一報を聞いた時は『ついに来てしまった』と思った」

 -白紙撤回の後、代替案となる「ダムによらない治水」は進みませんでした。政治の責任をどのように捉えていますか。

 「地域代表の国会議員として申し訳なく思っている。ただ、川底は掘れる所を掘ったし、川幅も部分的に広げた。堤防もかさ上げし、球磨川と支流の合流地点付近には導流堤も造った。できることはやってきたと理解してほしい」

 -蒲島知事が国交省に建設を求めた流水型ダムについて、どう考えますか。

 「国交副大臣だった頃から私も、命と環境を両立させる点で流水型ダムしかないと思っていた。知事の判断に敬意を表したい。一度は白紙撤回になったが、人の命や住み慣れた街並みが豪雨で失われたことは重い」

 -治水効果を疑問視する声や、環境への影響を心配する声もあります。

 「いろんな意見があることは承知している。不安を払拭[ふっしょく]するだけの説明を、これからしなければならない。立野ダム(南阿蘇村、大津町)をはじめ、流水型ダムは全国各地で建設が進んでおり、国交省は説明できるだけの知見を蓄積している」

 -被災地復興の課題は何だと考えますか。

 「川底に堆積した土砂を今年の出水期までに撤去し、被災前の状態に戻すことが最優先。その上で、減災に向けた改良や復旧に可能な限り取り組みたい」

 -JR肥薩線の復旧見通しも立っていません。

 「肥薩線は観光列車の代表格。赤字路線ではあるが、地域住民の大切な交通機関だ。復旧は簡単ではないが、必ず守っていく。沿線の自治体にもある程度負担をしてもらうような、新たな支援スキームを考える必要もあるのではないか。被災地の意見を多方面に訴えていきたい」

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