熊本市、「サンライフ」解体の方向性 隣接の「はあもにい」に集約案 体育室利用者から懸念の声
熊本市は、中央区黒髪の市男女共同参画センターはあもにいの大規模改修と、隣にある市勤労者福祉センター「サンライフ熊本」を解体し、両施設の機能を集約する方向性を示している。来年度にも具体的な方針が決まるが、サンライフの体育室を卓球やバドミントンで利用する人を中心に懸念の声が上がっている。
「寝耳に水だ」「卓球に週3回通っている。体育室を残してほしい」「サンライフの講座はどうするのか」。8月16日に市が、はあもにいで開いた利用者説明会。市の示した方向性について、約30人の参加者から次々と意見が出た。
説明会で市は、両施設の2023年度の利用状況を合計し、はあもにいだけになった場合の稼働率を提示。研修・会議室やアトリエなどは60~84・1%だったが、和室は125・8%となった。和室は控室やピラティスなど「他の施設で代替できる」利用が多いことから「問題ない」と判断した。
一方、サンライフの23年度の体育室稼働率は47・1%。体育室の利用者には熊本県立総合体育館(西区上熊本)やナースパワーアリーナ(中央区出水)など「別施設を案内する」と説明した。
市雇用対策課と男女共同参画課によると、両施設の機能集約は、市が17年に策定した「公共施設等総合管理計画」に基づく。計画は、全ての市有施設を対象に集約や廃止の検討を進め、総延べ床面積の2割削減や改修による耐用年数の延長などを掲げる。
はあもにいとサンライフは改修時期が迫っており、市は55年度までにかかるコストを3案で比較。①両施設の存続=110億7千万円②規模を2割縮小し一体化して建て替え=107億6千万円③はあもにいを大規模改修しサンライフを解体=89億7千万円とした。最も費用が少なかった③を説明会で利用者に示した。
サンライフで開かれているズンバや太極拳、デジタルカメラ講座に通う中央区壺川の女性(62)は「健康維持のため、年金生活でも利用できる貴重な施設。体育室をぜひ残してほしい」と訴える。
市は体育室存続などを求める声に対し、「今回はあくまでも方向性を示したもので、決定ではない。説明会で出た意見を踏まえ検討する」とした。
市は当初、9月定例会で具体的な計画の土台となる方針案を報告する予定だったが、「地域や利用者から十分に声を聞けていないという意見もあった」と報告を延期。説明会やアンケートの再度実施も検討するという。(九重陽平)
熊本市男女共同参画センターはあもにいと市勤労者福祉センター「サンライフ熊本」 はあもにいは1990年に開館。約400人収容のメインホールや会議室、食品加工室などもある。年間約10万人が利用する。サンライフは83年開館。体育室のほかホールや会議室もある。年間利用者は約5万7千人。
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