台風10号、熊本県内で強風域続く 線状降水帯に警戒を
台風10号は30日午前、熊本県全域が風速15メートル以上の強風域に入ったまま、九州北部を北東に進んだ。熊本地方気象台によると30日も強い風が吹く見通しで、日中にかけて線状降水帯が発生する恐れがある。引き続き土砂災害や強風、高波、河川の氾濫などに警戒を呼びかけている。
県の集計では午前8時現在、新たに山都町で民家への土砂崩れ、長洲町で民家の床下浸水が確認された。住宅被害は計3件で、けが人はなかった。土砂崩れや倒木による道路の通行止めで、山都町で5世帯10人、球磨村で39世帯88人が孤立している。33市町村が避難指示、8市町村が高齢者避難情報を出している。
気象庁は、天草や球磨地域などの8市町村に土砂災害警戒情報を継続した。九州電力によると、午前10時現在、17市町村で720戸が停電している。
九州新幹線など県内の鉄道や路線バス、熊本空港の発着便、フェリー各社は運転見合わせや欠航を続けた。一般道路は雨量による規制や倒木、土砂崩れの影響で南阿蘇村立野の国道57号など18カ所で通行止めとなっている。
高速道路は30日午前、九州自動車道の植木インターチェンジ(IC)-えびのIC間、南九州道の八代ジャンクション(JCT)-日奈久IC間、九州中央道の嘉島JCT-益城本線料金所間の通行止めが解除された。
気象台によると、台風は29日深夜に玉名市付近を通過した。30日未明には勢力が弱まり、風速25メートル以上の暴風域はなくなった。午前10時現在、大分県国東市付近を北東へゆっくりと進み、中心気圧は994ヘクトパスカル。中心付近の最大瞬間風速は30メートル、最大風速は20メートル、全域が風速15メートル以上の強風域となっている。
27日朝の降り始めから30日午前10時までの総雨量は、湯前町で517・0ミリ、五木村372・5ミリ、あさぎり町319・0ミリ、山都町304・5ミリ、玉名市258・5ミリ。31日午前6時までの24時間雨量は多いところで熊本と阿蘇、球磨地方で180ミリ、天草・芦北地方で150ミリ。1時間に50ミリの非常に激しい雨が降る恐れがある。
30日に予想される最大瞬間風速は外海と陸上で30メートル、内海25メートル。波の高さは外海で5メートル、内海で2・5メートル。県内は9月1日明け方まで強風域となる見通し。(堀江利雅)
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