台風10号、熊本に最接近 4人転倒してけが 30日も線状降水帯の恐れ

熊本日日新聞 2024年8月29日 18:27
台風10号の強風の影響で壊れたバス停の屋根=29日午前9時55分ごろ、天草市(小野宏明)
台風10号の強風の影響で壊れたバス停の屋根=29日午前9時55分ごろ、天草市(小野宏明)

 台風10号は29日、熊本県内に最接近した。午前に鹿児島県薩摩川内市付近に上陸した後、天草市付近を通って北上した。湯前町や玉名市など各地で激しい雨風となり、4人が転倒してけがをした。熊本地方気象台によると、30日も日中は線状降水帯が発生する恐れがあり、昼前まで非常に強い風が吹く見通し。引き続き土砂災害や暴風、高波、河川の氾濫などに厳重な警戒を呼びかけている。

 27日朝の降り始めから29日午後4時までの総雨量は、湯前町で506・5ミリ、五木村321・5ミリ、あさぎり町318・5ミリ、玉名市234ミリ。29日は玉名市で1時間に60ミリ、湯前町で51ミリの非常に激しい雨が降った。最大瞬間風速は益城町で30・3メートル、宇城市で28・8メートル、人吉市で28・6メートルを観測した。

 気象庁は29日午後4時現在、天草市や山都町など8市町村に土砂災害警戒情報を出した。午後5時現在の県の集計では40市町村が避難指示、5市町村が高齢者等避難情報を出し、45市町村の避難所583カ所に計9229人が避難している。美里町で倒木、高森町で土砂流入による各1件の住宅被害が出た。南小国町で1世帯1人が倒木による道路閉鎖で孤立している。

 熊本地方気象台の予報では、30日は午後6時までの24時間雨量は多いところで熊本と阿蘇、球磨地方で250ミリ、天草・芦北地方で200ミリ。県内全域で1時間に50ミリの非常に激しい雨が降る恐れがある。

 最大瞬間風速は外海と陸上で35メートル、内海30メートル。波の高さは外海で6メートル、内海で3メートルとなる。県内全域が風速15メートル以上の強風域を抜けるのは9月1日明け方の見通し。

 熊本県は29日午後、台風10号の接近に伴う災害警戒本部会議を県防災センターで開き、県内の被害状況や今後の対応を確認した。被害情報や注意喚起、県有施設の休館情報などは、県ホームページに集約して公開している。(堀江利雅、川野千尋)

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