移植合併症の原因菌特定 白血病など、治療薬に期待
白血病治療などで実施される造血幹細胞移植で問題となる合併症「移植片対宿主病(GVHD)」について、抗菌薬から逃れて増殖する毒性の強い菌が発症に関係していることを突き止めたと、大阪公立大などのグループが10日付の英科学誌ネイチャーに発表した。菌を攻撃する酵素も発見、藤本康介大阪公立大准教授は「GVHDの新しい治療薬の開発が期待される」としている。
GVHDは、移植した造血幹細胞に由来する免疫細胞が、患者の臓器を異物と認識して攻撃する反応で、重症化すると死亡することもある。移植前の抗がん剤、抗菌薬の投与や、放射線治療によって、腸内細菌が乱れることが一因とされている。
グループが移植を受けた患者の排せつ物を分析したところ、一部の患者で特定の種類の細菌が増加していた。細菌を採取し、馬の血液を使って培養すると血液を溶かす強い毒性を持っていることが分かった。マウスに細菌を投与して移植をしたところ、菌がない場合よりも死亡率が高かった。
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