「血と骨」作家の梁石日さん死去 在日文学に新たな地平切り開く

共同通信 2024年6月29日 18:45
 梁石日さん
 梁石日さん

 「血と骨」「夜を賭けて」などの小説で在日文学に新たな地平を切り開いた作家の梁石日(ヤン・ソギル、本名梁正雄=ヤン・ジョンウ)さんが29日午前、東京都の病院で死去した。87歳。大阪市出身。葬儀は親族で行う。

 経営する印刷会社が破産し、20代で多額の借金を背負った。30代前半から約10年間、タクシー運転手として働いた経験を基に書いた小説「タクシー狂躁曲」が、崔洋一監督によって映画「月はどっちに出ている」となりヒットした。

 韓国南部・済州島出身の父をモデルに、暴力と不信、孤独に支配され欲望のままに生きる主人公を描いた「血と骨」は、知性に反逆する圧倒的な身体性を見せつけてベストセラーとなり、山本周五郎賞も受賞。崔監督、ビートたけしさん主演で映画化された同作は、数々の映画賞を受けた。鉄くず窃盗団アパッチ族を題材にした「夜を賭けて」も山本太郎さん主演で映画化された。

 在日朝鮮人2世として生まれ1990年代に韓国籍に。在日韓国・朝鮮人としてのアイデンティティーを問いながら、人間の業や社会の不条理を見つめた。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「文化・芸能」記事一覧