宇宙ごみ50mまで接近して撮影 民間企業の衛星ADRAS―J
![実証衛星「ADRAS―J」が、約50メートルの距離で撮影した宇宙空間を漂うロケットの残骸(アストロスケール提供)](/sites/default/files/images/newspack/2024-06PN2024061401001731.-.-.CI0003.jpg)
日本の宇宙企業「アストロスケール」は14日、宇宙ごみ除去技術を確立するための実証衛星「ADRAS―J」(アドラスJ)が、目標のロケット残骸から約50mの距離で撮影した画像を公開した。4月には、この残骸の数百mに接近し、世界初の撮影に成功していた。高速で宇宙空間を漂う宇宙ごみを最も近い距離で定点観測できたという。
撮影した残骸は日本が2009年に打ち上げたH2Aロケット15号機の第2段部分で、全長約11m直径約4m重さ約3トン。地上約600キロの軌道上を高速で周回している。JAXAの分析では、大きな損傷はなく左右に表面保護用のテープとみられるひも状の物体が確認できた。
人工衛星やロケットの打ち上げ増加に伴って宇宙ごみは増え続け、運用中の衛星などに衝突する恐れがある。宇宙ごみを除去するためには、位置や見た目の情報が限られる中で安全かつ確実に接近する技術が重要になる。
4月の撮影では、残骸の表面を覆っていたオレンジ色の断熱材が軌道上で強い紫外線に当たった影響で濃い茶色に変色したことが確認できた。
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
全国のニュース 「科学・環境」記事一覧-
エネルギー改革の進展鈍化 世界経済フォーラムが調査報告書
共同通信 -
月面探査「経験伝え、若手支援」 JAXAの古川飛行士
共同通信 -
レアメタル含む岩石2億トン 南鳥島沖、25年採取目指す
共同通信 -
西日本のPCBを受け入れへ 北海道室蘭市、25年度末まで
共同通信 -
JAXAにサイバー攻撃 昨年以降、外部機関の情報流出か
共同通信 -
筋ジスの遺伝子治療薬、対象拡大 米FDA、年齢上限を撤廃
共同通信 -
血液由来物質で蚊「満腹」を発見 媒介感染症の抑制期待、米科学誌
共同通信 -
福島第1原発、作業7割で要改善 トラブル続発、東電が総点検
共同通信 -
浪江町の特定帰還居住区域で除染 大熊、双葉に続く県内3例目
共同通信 -
高速炉開発、原子力機構に新組織 もんじゅ後継、実現目指す
共同通信