「新たな最終処分場の建設も検討」 熊本・天草広域連合長の天草市長、新ごみ処理施設計画で 受注企業グループとは契約解除で合意
![将来的な最終処分場の建設について言及する天草広域連合長の馬場昭治天草市長=10日、天草市](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2024-06/IP240610TAN000098000_02.jpg?h=dc8c4f64&itok=hy3lp7m2)
焼却灰の資源化を前提にした熊本県の天草広域連合(天草市、上天草市、苓北町)の新ごみ処理施設計画を巡り、馬場昭治連合長(天草市長)は10日、熊日の取材に「将来的には新たな最終処分場の建設も検討しなければならない」と述べた。整備基本計画を策定した2019年以降、連合は最終処分場は造らない方針を維持しており、大きな方針転換となる。
計画に関しては、受注した川崎技研(福岡市)を代表とする企業グループが示した焼却灰の搬入先で紛糾した上、連合は「事業提案書に虚偽記載があり、入札そのものが無効」として5月下旬に契約解除の方針を示していた。
馬場連合長は、この日の取材に「契約解除の一因に資源化施設の確保の難しさがあった。資源化が完全にゼロではないが、最終処分もあり得る」と話した。
資源化が難しかった場合、当面は域外の最終処分場を利用する意向も明らかにし、「ごみは域内処理が原則。将来的に、天草に最終処分場を造る検討は避けて通れない」との見解を示した。新施設の建設予定地である天草市楠浦町での最終処分場建設は否定した。(福井一基)
●新ごみ処理施設計画、契約解除で合意
天草広域連合(天草市、上天草市、苓北町)は10日、新ごみ処理施設計画を巡り、整備運営事業を受注した企業グループ(10社)との契約解除に合意したと発表した。「事業提案書に虚偽記載があり、入札そのものが無効」として、連合が5月下旬に解除方針を示していた。
双方が損害賠償などを求めないことで合意。月内をめどに合意書を交わし、正式に契約解除する。契約額は368億5千万円で、現時点で連合の支出はない。
連合によると、受注した川崎技研(福岡市)を代表とする企業グループは、焼却灰の資源化施設が未着工にもかかわらず、入札手続きで「建設途中」と事実と異なる発言をするなどした。建設のめどは立っておらず、業務履行は不可能で「契約解消せざるを得ない」とした。
熊日の取材に、川崎技研の担当者は「連合が示した『不正行為』や『虚偽記載』については、認識が異なる部分がある」としながら、「これ以上、新施設の稼働が遅れれば、天草地域の皆さまに迷惑をかけ、安全安心なインフラを提供するという企業理念に反する。苦渋の決断で合意した」と話した。(鬼束実里)
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