海の気候変動影響、対処を 国際海洋法裁、条約締約国に義務
![海の気候変動影響に関する勧告的意見を読み上げるホフマン裁判官=21日、ドイツ・ハンブルクの国際海洋法裁判所(同所の中継から・共同)](/sites/default/files/images/newspack/2024-05PN2024052101002181.-.-.CI0003.jpg)
【ワシントン共同】国際海洋法裁判所(ドイツ・ハンブルク)は21日、「海の憲法」とも呼ばれる国連海洋法条約で定める「海洋汚染」には温室効果ガスの排出が含まれるとの勧告的意見を出した。日本を含む168の締約国とEUは排出削減のほか、海水温の上昇や海面上昇、海の酸性化など「海の気候変動影響」に対処する義務を負うと指摘した。
勧告的意見は法的拘束力のない「見解」との位置付けだが、国際機関の議論で参照されるため影響力は大きい。今回は気候変動に関して国際裁判所が勧告的意見を出す初の事例となった。
各国はパリ協定などの国際的取り決めに沿い、排出削減や悪影響の削減に向け必要な対処を求められる。義務を果たしていないと見なした締約国を他の締約国が訴える事態も想定される。
裁判所に意見を求めたのは、南太平洋のツバルやカリブ海のアンティグア・バーブーダなどで構成する「気候変動と国際法に関する小島しょ国委員会」。災害に弱く、対策の資源にも乏しい国々から自国を脅かす海と気候変動問題で議論を喚起する狙いがあった。
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
全国のニュース 「科学・環境」記事一覧-
玄海原発で点検遅れ 非常用発電機の動作確認
共同通信 -
北日本「海洋熱波」で昨夏猛暑に 雲少なく日射増、英科学誌発表
共同通信 -
老化卵子の染色体異常解明、理研 マウス実験、流産メカニズム理解
共同通信 -
原発の処理水放出「基準に適合」 IAEA、2回目報告書
共同通信 -
女川原発、再稼働11月に延期 東北電力、仮設倉庫の撤去遅れ
共同通信 -
帯状疱疹、65歳に定期接種 厚労省部会、ワクチン支援で案
共同通信 -
コスモス国際賞に英博士 生物保全科学の先駆者
共同通信 -
JR東海社長、水位低下で釈明 「原因究明考えた」、リニア工事
共同通信 -
規制委、東電と意見交換 デブリ取り出し安全確保で
共同通信 -
知床基地局を整備する影響照会 ユネスコ、日本政府に
共同通信