敵前上陸「地上の地獄だった」 対ロシア渡河作戦、兵士ら証言

共同通信 2024年5月19日 20:08
 ドニエプル川の支流で、小型艇を使った渡河作戦の訓練を行うウクライナ軍兵士=14日、ウクライナ・ミコライウ州(共同)
 ドニエプル川の支流で、小型艇を使った渡河作戦の訓練を行うウクライナ軍兵士=14日、ウクライナ・ミコライウ州(共同)

 ロシア軍が待ち受けるドニエプル川の対岸に、小型艇で少数の歩兵を送り込み橋頭堡を築き、猛攻に耐えながら維持する―。ウクライナ軍は昨年秋から、南部ヘルソン州で危険度の極めて高い渡河作戦を継続している。東部ドンバス地域で激戦が続く中、渡河作戦はロシア占領地奪還に向けた南部戦線の焦点だ。圧倒的不利な状況下で、大河を渡り廃虚の地下に潜伏しながら交戦を繰り返す。兵士らは「地上の地獄だった」と口をそろえた。

 ウクライナ軍兵士6人が19日までに共同通信の取材に凄惨な実態を証言した。ウクライナは奪還地域を拡大できず作戦の成果は乏しい。

 証言によると、ウクライナ軍は通常、深夜から未明に北岸から小型艇を出発させ、一隻当たり4、5人の歩兵を南岸に輸送する。小型艇はドローンが投下する爆弾や砲撃を蛇行して避け、全速力で対岸を目指す。

 遮蔽物がない川面は無防備だ。小型艇操縦士トレット(28)は「殺される恐れが最も高い場面の一つだ」と話す。同僚の操縦士は命を失い、自らも約50メートル先の水面に爆弾が落ちた経験がある。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「国際」記事一覧